日本の安保関連法案、衆院で可決 参院へ
東京(CNN) 日本の衆議院は16日、安全保障関連法案を可決した。この法案が成立すれば、日本は海外で起きた武力紛争において今よりも踏み込んだ役割を担うことが可能になる。
大雨のなか、国会議事堂の周囲には法案に反対する数千人が集まった。
安倍首相が推すこの法案の採決を複数の野党が欠席した。法案は連立与党が過半数を占める参院に送られる。
安倍首相は、米国の同盟国である日本が軍事上、より積極的な役割を果たすことが可能になるように動いてきた。昨年には第2次世界大戦後に制定された平和憲法の解釈を変更し、国民からの反発が広がった。
今回の法案は、自衛隊が海外での紛争で同盟国の一員として、限定された役割を果たすことを認めるものとなる。
米国は安倍首相の動きを支持している。
米国務省のカービー報道官は「同盟を強化し、地域的、国際的な安全保障活動でさらに積極的な役割を果たそうとする日本の継続的な努力をわれわれは歓迎する」と述べた。
両国は4月には「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を改定。ガイドラインでは攻撃を受けた同盟国を日本が守ることが可能だとしている。
だが日本の国民の間からは、同盟国が起こした戦争に巻き込まれ、自衛隊員や一般市民を危険にさらす可能性があるとの懸念が聞かれ、世界的に有名なアニメ映画監督の宮崎駿氏ら著名人からも批判の声が上がっている。
野党・民主党の藤田幸久参院議員はCNNに対し、日本の国民や国家のイメージ、外交国家としての見られ方を損う結果になると語った。
中国や韓国も、日本の軍事的立場の変化に懸念を表明している。