ロシア、シリアに軍事介入か 米ロ外相が電話会談
(CNN) 内戦が続くシリアでロシアが軍事介入の準備を進めている可能性をめぐり、ケリー米国務長官は5日、ラブロフ・ロシア外相と電話で会談した。
国務省は声明の中で、ロシア軍がシリアで足場を強化しているとの情報が事実とすれば「紛争を激化させ、罪のない人々の命を奪い、難民の流出に拍車をかける恐れがある」と批判。さらに、現地で過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦う米軍主導の有志連合と衝突する事態も考えられると指摘した。
ケリー長官とラブロフ外相は、両国が今後もシリア問題についての協議を続けることで合意したという。
米紙ロサンゼルス・タイムズが匿名の米当局者らの話として伝えたところによると、米情報当局はロシアがシリアへの関与拡大を図っていることを示す証拠を入手した。この中には、建設中の基地とみられる衛星画像などが含まれているという。
CNNで国際情勢を担当するエリーゼ・ラボット特派員は、ロシアと米国がこれまで、シリア内戦の政治的解決を目指す協議を続けてきたことを指摘。ロシア軍のシリアでの動きが事実とすれば、この協議への悪影響が懸念されると述べた。
同特派員はさらに、シリアのアサド政権が倒れた場合に備え、同国での影響力を確保することがロシアの狙いではないかと話している。