米国訓練のシリア武装勢力、配給の武器弾薬を過激派に渡す
ワシントン(CNN) シリアで過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討のため米軍が訓練した反体制派の穏健派武装勢力が米国率いる有志連合国から提供された武器弾薬などを国際テロ組織アルカイダ系の過激派に引き渡していたことが27日までにわかった。
複数の米政府当局者が明らかにした。過激派「ヌスラ戦線」の支配地で安全な通過を期すためトラックや武器弾薬類を差し出していたという。その量は、有志連合国の供与分の約25%に相当するという。
ヌスラ戦線の要求に応じたものなのかなどはわかっていない。
米軍などが訓練し、シリアの戦線に投入している穏健派武装勢力は「新シリア軍」と呼ばれる。中東地域を管轄する米中央軍の報道担当者は「引き渡しが事実なら、訓練や武器弾薬類など供与の指針に反する」と指摘した。
中央軍は当初、譲渡の事実を否定。ヌスラ戦線は先週、ツイッター上に有志連合が配給していたライフル銃の写真を公開したが、中央軍は画像は偽物とも主張していた。しかし、新シリア軍がトラック6台と一部の武器弾薬類を譲渡したことを認めたという。
中央軍は、引き渡しに至った詳しい経緯などを調べている。