シリアでマスタードガス使用、化学兵器禁止機関が確認
(CNN) 内戦状態に陥っているシリアの北部の町で、マスタードガスが使用されたことが7日までに分かった。化学兵器禁止機関(OPCW)の情報筋が明らかにした。
化学兵器が使用されたのは8月21日。シリア北部アレッポの北45キロにあるマレアで、少なくとも2人がマスタードガスにさらされた。赤ちゃんも被害を受け死亡した可能性があるという。
今回の報告書では、責任の所在を明らかにしておらず、シリア内戦に関与するどの勢力にも言及していない。
OPCWの関係者は、「マスタードガスは周知の化学兵器であり、非常に深刻な問題だ。マスタードガスは非常に危険で、極めて毒性が強い。従って、懸念が新たな段階に達したことになる」と述べた。
シリアでの化学兵器の使用をめぐっては、これまでもたびたび報じられており、民間人相手に化学兵器を使用しているとして国際社会がアサド政権軍を非難している。
こうした非難に加え、主要国が直接の武力行使を示唆したことを受け、アサド政権は2013年、備蓄していた化学兵器を放棄し、引き渡すことに合意。この合意は米国とロシアにより仲介され、国連安保理で採択された。
一連のプロセスの監視を担ったOPCWは昨年6月、最後の備蓄化学兵器が除去されたことを確認していた。それだけに、化学兵器を使用したのがアサド政権もしくは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などの戦闘集団のどちらであれ、使用が新たに指摘されたのは大きな問題だ。