世界のテロ犠牲者3万人超、過去最悪に 14年報告書
(CNN) 17日に発表された世界のテロ動向報告書によると、2014年のテロによる犠牲者は前年より80%増えて3万2658人に達し、過去最悪となった。同報告書は、フランスのパリやレバノンのベイルートで起きたようなテロが世界に拡大する現状を浮き彫りにしている。
報告書は米メリーランド大学の集計をもとに、シンクタンクの経済平和研究所がまとめた。それによると、14年に発生したテロの78%はパキスタン、ナイジェリア、アフガニスタン、シリア、イラクの5カ国に集中。しかしテロが世界に拡大する中で、発生国の数も犠牲者数も過去最多を記録した。
テロは過去15年で激増し、14年の犠牲者数は2000年の9倍に上る。犯行声明が出されたテロでは、イスラム過激派「ボコ・ハラム」と過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」による犯行が51%を占めた。
イラクのテロによる同年の死者は9929人に達し、1国の犠牲者としては過去最悪。増加数が最も高かったナイジェリアの死者は7512人となり、前年の4倍を超えた。
500人を超す死者が出た国の数は、5カ国から11カ国に増えた。この中には、289人を乗せたマレーシア航空機がミサイルで撃墜されて墜落したウクライナも含まれる。
一方、欧米では2001年の米同時多発テロを除けば、2000年以降のテロによる年間の死者は、世界全体の0.5%にとどまっている。