国境なき医師団の病院に爆撃、14人死傷 イエメン
(CNN) イエメン北部で現地時間の10日午前9時20分ごろ、国際医療支援団体「国境なき医師団」が支援する病院にロケット弾が着弾し、建物数棟が破壊されて、少なくとも4人が死亡、10人が負傷した。同団体が明らかにした。
負傷者のうち3人は国境なき医師団の職員で、2人が重体となっている。倒壊した建物の下敷きになった人がまだ取り残されている可能性もあるという。
被弾した病院は昨年11月から国境なき医師団が支援していた。ロケット弾がどこから発射されたのかは分かっていない。
イエメンでは昨年、イスラム教シーア派の武装勢力フーシと、スンニ派主導のハディ政権の対立が激化。ハディ大統領を支持するサウジアラビアが昨年3月からフーシに対する空爆を開始し、イランとの間で代理戦争の様相を呈している。
国境なき医師団によれば、病院の場所についてはサウジ主導の有志連合を含めて全当事者に知らせてあった。「空爆実施やロケット弾の発射能力を持つ者が、病院の場所を知らなかったはずはない」と同団体は述べ、「病院爆撃は国際人道法に違反する」と指摘している。
国境なき医師団の運営する病院は、昨年10月にアフガニスタンでも米軍に誤爆され、職員や患者など30人が死亡していた。この問題では米国が人為ミスだったと認めて謝罪している。