米軍のF22、ルーマニアに初着陸 ロシアの軍拡牽制か
ルーマニア・ミハイルコガルニチャヌ空港(CNN) 米軍は25日、世界最先端の戦闘機とされる「F22ラプター」2機をルーマニアに初めて着陸させた。
F22は音速の2倍というスピードや高いステルス性能で知られる。ルーマニアへの派遣は北大西洋条約機構(NATO)の演習の一環として、米戦闘機の即応性を実演するのが公式の目的とされた。同時に、ロシアの軍備拡張が目立つ黒海周辺で、NATO加盟国に米軍の力を示す狙いもあった。
2機のF22はイングランド東部のレイクンヒース英空軍基地を飛び立ち、ルーマニアの都市コンスタンツァ近郊のミハイルコガルニチャヌ空港に到着。米国のクレム駐ルーマニア大使の出迎えを受け、数時間後には英国へ引き返した。
コンスタンツァはウクライナ国境やクリミア半島、ロシア海軍黒海艦隊の拠点セバストポリに近い黒海沿岸の都市。ロシアはウクライナ領だったクリミア半島を2014年に併合した。
ルーマニア空軍の参謀総長は、このところロシアによる上空での活動や作戦、訓練がますます盛んになっていると話す。クレム大使は記者団に「ロシアはこの2~3年間、当地域の不安定化をもたらしてきた」と語った。
一方でロシア側は、緊張を高めているのは同国でなくNATOのほうだと主張している。