マラリアの死者、年間40万人 対策予算の削減に警鐘
ロンドン(CNN) 世界保健機関(WHO)は「世界マラリア・デー」の25日、各国の対策が奏功して2015年は33カ国でマラリアの症例報告が1000例を切り、世界のマラリアによる死亡率は2000年に比べて60%減ったと報告した。
一方、英医学誌ランセットに掲載された報告書では、マラリア対策で実績を挙げてきた中国、メキシコ、トルコ、南アフリカなどの国について、今後は政府が対策の手を緩め、予算も削減される可能性があると指摘。そうなればマラリアの根絶を目指す国連の目標は挫折しかねないと警鐘を鳴らしている。
マラリア根絶を目指して16年前に設定された目標に向け、これまでに集まった寄付の総額は約2550億ドル(約28兆円)。
ランセットに掲載された別の報告書によれば、2000~09年に世界のマラリア対策予算は28.3%増加していたが、10年以降は0.9%の減少に転じた。