英議員殺害で男を訴追、「理想的な隣人」の犯行に周囲驚き
ロンドン(CNN) 英北部の町バーストルで野党・労働党のジョー・コックス下院議員が殺害された事件で、警察は18日朝、現場付近で逮捕されたトーマス・メア容疑者(52)を殺人などの容疑で訴追した。コックス議員に標的を絞った犯行とみて捜査を進めている。一方、同容疑者が白人至上主義やアパルトヘイト(人種隔離)に関心を寄せていたことを示す情報も浮上している。
米国の非営利組織「南部貧困法律センター」は、米国に拠点を置く白人至上主義組織「ナショナル・アライアンス」からメア容疑者が書籍などを購入していたことを示すとする文書を公表した。公表されたのはナショナル・アライアンスが刊行する雑誌の購読記録や、ネオナチ関連の書籍の購入を示す領収書など。
またメア容疑者は1980年代、アパルトヘイト(人種隔離)支持の雑誌を購読していた。同誌の編集者はCNNの取材に対し、英北部ヨークシャー州バトリー在住の「トーマス・A・メア」という人物が雑誌を購読していたと明かした。1980年代半ばに短いやり取りがあったものの、これ以外は連絡を取ったことがないという。
ただし、現時点でメア容疑者の動機は不明。犯行現場付近にいた人は、メア容疑者が「英国を第一に考えろ」と叫んでいたと証言する。