南スーダンで衝突、国連事務総長が撤収を呼びかけ
(CNN) 南スーダンの首都ジュバで大統領支持派と副大統領支持派の衝突が激化し、戦闘が続いている問題で、国連の潘基文(パンギムン)事務総長は11日までに、キール大統領とマシャール副大統領に対し、双方の部隊に撤収を命じるよう促し、理不尽な暴力によって和平プロセスが脅かされかねないと警告。「国連施設や民間人の避難所が交戦に巻き込まれている」と非難した。
国連安全保障理事会も9日、今回の衝突を強く非難する声明を発表し、国連や外交官が標的にされたと指摘した。調査のための委員会を設置したことも明らかにした。
アフリカ情勢に詳しい専門家は、「ジュバの指揮管理系統が完全に崩壊した可能性がある」と述べ、報復殺人の連鎖になる恐れもあると指摘、今後数日の展開を注意深く見守る必要があるとしている。
ジュバ行きの便を1日2便運航しているケニア航空は、治安悪化への懸念から全便の運行を中止した。英外務省は、ジュバの治安状況が8日以来悪化したとして、南スーダンへの渡航を自粛するよう勧告した。
今回の戦闘による死者の数は不明だが、約150人とする情報や270人以上とする情報もあり、情報が錯綜(さくそう)している。