色あせるチャイニーズ・ドリーム<2> 「競争力」失う中国
(CNN) アフリカ各国の出身者は広州での「大使」を国ごとに投票で選出している。中国警察との折衝や外国人社会内部の争いの調停にあたるほか、コミュニティーの人数も記録している。移民は広州に着くとコミュニティーの指導者に非公式に申告し、支援を仰ぐのが普通だ。
コンゴ出身の「外交官」フェリー・ムワンバさんによれば、2006年にリトルアフリカに住んでいたコンゴ人は1200人。この人数は今日、500人にまで減少したとみている。他国の「大使」も同様の減少を報告している。
広州の中でも特に人数が多いのがナイジェリア人だ。そのコミュニティーの大使を務めるエマニュエル・オジュクさんは「クリスマスに大勢が帰国してしまい、戻ってこない」と話す。
多くの人は移動を重ねながら商売を行っているため、広州におけるアフリカ出身者の数を正確に知ることは難しい。香港大学の講師ロベルト・カスティロ氏は、中国政府も正確な人数は把握していないとみている。ただリトルアフリカの通りは、記者が2年前に初めて訪れた時よりも静かになっているように見えた。
競争力を失う中国
アフリカ出身者の間でチャイニーズ・ドリームが色あせつつある現状の背景には、中国経済の成熟が一因としてある。