日韓、軍事情報交換の協定調印 中国が反発
ソウル(CNN) 日韓両国政府は24日までに、軍事上の秘密情報などを共有する協力協定に調印した。今後は両国の同盟国である米国を介在せずに軍事情報を直接供与し合うことが可能となる。
韓国政府は5年がかりとなった今回の協定締結により、北朝鮮の弾道ミサイル発射やその弾道、核開発能力や潜水艦配備などの分析能力の強化に役立つと期待している。韓国国防省は23日の声明で、日本の国防支出は韓国より多いなどと指摘、協定締結の利点を強調した。
北朝鮮は今年に入り十数回のミサイル試射や核実験を繰り返すなどの軍事的挑発を高めている。米国は朝鮮半島情勢などをにらみ、日韓の防衛協力態勢の拡大を促してきた。
今回の協定は即時発効した。日韓の情報機関は機密情報などを融通し合うが、最高度指定の秘密情報はこの限りではない。
一方、中国外務省の報道官は23日、日韓の軍事情報共有に関する協定は地域の平和と発展を進める上で生産的な効果を及ぼさないと批判。冷戦時代の精神に深く根差した関係国による軍事情報共有を巡る協力態勢の強化は朝鮮半島の対決をこじらせるだけであると述べた。
今回の協定調印に対しては多くの韓国国民が反発している。日本が過去に韓国を植民地化した歴史的経緯などが絡む。世論調査機関ギャラップ・コリアの最新調査によると、約6割が協定に反対した。
また、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は現在、知人女性の国政介入疑惑事件に絡んで国民の信頼感を失い、政権基盤の著しい弱体化に直面している。この中での協定締結だけに野党の反発を買っている。