大気汚染が広げる北京の環境格差<1> 健康には代えられない
北京(CNN) 中国・北京に住むジャン・ワンさんが朝起きて最初にすることは、娘がちゃんときれいな空気を吸っているかの確認だ。続く朝食作りでは、すべての食料品が有機農場から来ていることを確かめる。食材を洗うのは、流しの下にある浄水装置でろ過された水。飲み水には外国から輸入したペットボトル入りの水を用意している。
ワンさんの典型的な1日は、このようにして始まる。環境汚染の影響を最小限に抑えるためだ。
北京ではワンさん一家のように、汚染を避ける生活を目指す市民が増えている。お金は非常にかかるが、健康には代えられないという。
ただ北京で台頭する中流階級以下の住民にとっては、こうしたハイテク装置を家庭に取り付けるのは金銭的に不可能だ。このため、汚染は健康問題であると同時に階級問題にもなっている。犠牲になりつつあるのは取り残された人々だ。