米中首脳が電話会談、北朝鮮とシリアの問題を協議
(CNN) 中国外務省は12日、習近平(シーチンピン)国家主席が米国のトランプ大統領と電話で会談し、北朝鮮とシリアの情勢について協議したと発表した。
北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐっては、トランプ氏が中国に対し、北朝鮮への圧力を強めるよう再三求めてきた。
トランプ氏は電話会談に先立ち、「中国主席には、中国が北朝鮮問題を解決すれば米国との貿易がはるかにうまくいくと説明した」「協力しないというなら、我々は中国抜きで問題を解決する」とツイートしていた。
中国外務省によると、習氏は電話会談で、中国は朝鮮半島の非核化を望み、平和と安定を求めていると強調。平和的手段による解決を主張したうえで、米国との連携を維持していく用意があると表明した。
シリア情勢については「化学兵器の使用はいかなる場合も容認できない」とする一方、「政治的手段による解決という方針は堅持するべきだ」「シリア問題の解決に向け、国連安全保障理事会の結束を維持することは非常に重要だ」と述べた。
両首脳は先週、米フロリダ州で初めて直接会談した。この時も北朝鮮問題が主要な議題になると予想されたが、会談後の中国側の声明に北朝鮮への言及はなかった。一方で今回の電話会談については、北朝鮮問題が協議されたと具体的に認めている点が注目される。
英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)のアレクサンダー・ニール上級研究員はCNNに、電話会談は米中両国が北朝鮮への対応で「新たな段階」に入ったことを示していると指摘。中国が米国との共通の利害を重視し、何らかの取引に応じようとしている可能性もあると述べた。