ロシア大統領、シリアでの陰謀説を示唆 「イラク開戦前と同じ」とも
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は11日、シリアで何者かが化学兵器を使った攻撃を企て、アサド政権の仕業に仕立て上げようとしているとの疑惑を示唆した。
ロシアを訪問しているマッタレッラ・イタリア大統領と会談した後の共同会見で語った。
プーチン氏は「さまざまな方面からの情報」として、シリアの首都ダマスカス南郊などに有害物質を設置し、政権の仕業と見せかける「挑発」行為が計画されていると指摘。この疑惑について、ハーグの国際機関や国際社会に調査を要請するつもりだと述べた。
同氏はまた、欧米諸国が政治的な目的のためにロシアとシリアを悪者扱いしていると主張した。
昨年秋の米大統領選までさかのぼり、当時多くの欧州諸国が反トランプの立場を取ったために、今はだれもが関係修復に躍起になっているとの見方を示した。そのうえで「シリアとロシアは共通の敵として、欧米の結束に向けた格好の基盤を提供している。我々としては、いずれ意思疎通によって流れが好転することを期待して、当面はじっと耐えるつもりだ」と述べた。
プーチン氏はさらに、米国が現在、イラク戦争前と同じ作戦に出ていると主張。米当局が2003年、イラクで化学兵器が見つかったと国連安全保障理事会に報告した時と「非常によく似ている」と述べ、当時は「それを受けてイラクの軍事作戦が始まった」と指摘した。