NZのアーダーン首相が辞意、選挙で再選目指さず
(CNN) ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が18日、辞意を表明した。10月の総選挙で再選を目指す余力は残っていないとしている。
記者会見したアーダーン首相は、自身の任期が切れる2月7日までに、新しい労働党の首相が就任する見通しだと語った。ただし場合によってはその時期が早まる可能性もあるとした。
「一国を率いることは最も栄誉ある仕事だが、最も困難な仕事でもある。満タンの状態に加え、予想外の課題のために多少の予備がない限り、やることはできず、やるべきでもない」
アーダーン首相はそう語り、「私にはこの仕事をこなせるだけの余力が残っていない」と言い添えた。
続投すべきかどうかについては2022年暮れに熟考し、最終的に今が辞任すべき時だと判断したという。
ただし「つらいから辞任するわけではない。もしそれが理由なら、就任から2カ月でやめていただろう」と強調し、自身が対応した課題として新型コロナウイルス対応、19年にクライストチャーチで起きたテロ事件、火山噴火などを挙げた。
総選挙は10月14日に実施される。
アーダーン氏は37歳だった17年、ニュージーランドで3人目の女性首相として就任。その後1年も経たないうちに子どもを出産した。任期中の出産は世界でも2人目だった。20年には、新型コロナ対応などが評価されて再選を果たした。
アーダーン首相は、斬新で共感を呼ぶ首相としての政治活動が国際的な賞賛を得た一方で、ニュージーランド国内での人気は近年衰退している。
昨年後半の複数の世論調査によれば、アーダーン氏と労働党への支持率が低下した。CNN提携局ラジオ・ニュージーランドによれば、17年の首相就任以来、支持率が最低水準となった調査結果もある。
アーダーン首相は、辞任後の具体的な予定については未定としたが、家族との時間をより長く過ごすことを楽しみにしているという。