米航空当局、タイの安全評価を格下げ 「国際基準満たさず」
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は2日、タイ民間航空当局が国際基準に従わなかったとして、同国の安全性評価を「カテゴリー2」に格下げしたと発表した。
格下げにより、タイの航空会社は米国への新規路線の開設や、既存路線の増便ができなくなる。
タイの航空会社は現時点で米国への直行便は運航していない。しかし他国の航空当局がFAAに続いて格下げすることも予想され、欧州や東アジアへの便に影響が出る可能性もある。
タイは1997年、国際民間航空機関(ICAO)の基準に準拠していることを示す「カテゴリー1」に認定された。しかし今回FAAは、同国が「最低限の国際基準」さえ満たしていないと判断して格下げに踏み切った。
ICAOは6月の時点でタイに対して安全上の懸念を警告していた。これはアンゴラ、ボツワナ、ジブチ、エリトリア、ジョージア、ハイチ、カザフスタン、レバノン、マラウィ、ネパール、シエラレオネ、ウルグアイの各国と同程度の評価となる。
この警告が引き金となって、タイと中国、韓国、日本を結ぶ新規路線の開設が制限されていた。
タイのプラユット首相はFAAの決定を受け、航空システムの見直しを指示。昨年のクーデターで実権を握った軍指導部への信頼が揺らぎかねないと懸念を示した。
同国最大手のタイ航空は声明で、航空安全基準に従った運航に努めると表明した。唯一の米国便だったロサンゼルス便は10月で打ち切っていることから、乗客などへの影響はないと説明している。