米ボーイング、イランのアセマン航空に旅客機30機売却へ
ロンドン(CNNMoney) 米ボーイングは6日までに、イランのアセマン航空に737MAX型機を計30機売却する覚書に調印したと発表した。契約総額は納入側の希望価格に基づいた場合、30億米ドル(約3330億円)相当になる。
アセマン航空はまた、30機を追加調達出来る選択肢の権利を得た。ただ、今回の契約の最終的な成立には米政府の認可が必要。交渉は米政府が承認して続けられてきたが、最終合意には外国資産管理局の許可が条件となる。
ボーイング社は声明で、米商務省によると今回の受注契約は米国内で約1万8000人の雇用創出につながると指摘した。
米、イラン両国関係はトランプ米政権の誕生と共に悪化。イランは先月、米国が今年2月に打ち出した経済制裁を受け、米企業15社に報復の制裁を科していた。
イランは核開発計画に絡んで欧米諸国の経済制裁下にあったが、核問題に関する国際合意の成立後、制裁は昨年1月に緩和された。これを受け外国企業のイラン進出の機運が高まり、ボーイングは昨年12月、イラン航空に旅客機80機を売却する取引をまとめていた。
ただ、トランプ大統領はオバマ前大統領が支持したイランとの核合意に終始批判的な姿勢を示してきた。大統領就任後は、イラン国民による米国への渡航を規制する措置も打ち出していた。
首都テヘランに本拠があるアセマン航空は国内で40路線、海外で13路線に就航。同社の公式サイトによると、保有の機材は33機。ただ、昨年12月に安全運航上の懸念を理由に欧州連合(EU)が域内への乗り入れ禁止を通告していた。