米FRB、0.5%の緊急利下げ 新型ウイルスで「パニックボタン」
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急措置として、政策金利を0.5%引き下げて1%~1.25%の範囲とした。
FRBのジェローム・パウエル議長とスティーブン・ムニューシン米財務長官はこのわずか数時間前、米国などの主要7カ国は行動する用意があるとしながらも、差し迫った対応については言及していなかったことから、緊急利下げのタイミングはやや予想外だった。
2週間以内にはFRB定例の政策会合が予定されている。
しかし専門家は同日、FRBは今すぐ行動せざるを得なかったと指摘し、FRBが事態を深刻に受け止めていると投資家に納得させるためにはこれが唯一の方法だったと解説する。
「コロナウイルスが経済に及ぼす真の影響を、FRBは無視できなかった」。ブッシュ政権時代の財務省高官だったトニー・フラット氏はそう語り、衛生当局や米議会、米政権はFRBに続いて対応を強化する必要があると指摘。新型コロナウイルスの拡散を封じ込めるためにはさらなる緊急対策と、危機を乗り切るための適切な予算措置が求められると話している。
ただ、新型ウイルスによる経済への影響が数週間ではなく数カ月以上続くかもしれないという市場の不安は、まだ払拭(ふっしょく)されていない。
経済が制御不能に陥る事態を防ぐためには、FRBがあらゆる措置を講じる姿勢を示すことが不可欠だと別の専門家は言う。
FRBが今月18日に開かれる会合で、再度の利下げに踏み切る可能性もある。
エコノミストのエリック・ウィノグラッド氏は、「2週間後に再度金利が引き下げられる可能性が大きい」と話している。