機内で暴れる乗客は司法省が訴追を、米航空業界が要望 大半はマスク絡み
ワシントン(CNN) 旅客機内で暴れて騒ぎ起こす乗客が急増している問題で、米航空業界団体と労働組合が連名で21日、司法省のメリック・ガーランド長官と連邦航空局(FAA)のスティーブ・ディクソン長官に対し、特に悪質な事案については司法省で扱うよう求める要望書を提出した。
アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空などでつくる業界団体は要望書の中で、「FAAが悪質な事案を司法省に委ね、連邦政府が法に従って犯罪行為を完全かつ迅速に訴追し、この危険かつ憂慮すべき行為を抑止することを要望する」と述べている。
FAAは同日声明を発表し、こうした行為を一切容認しない方針は堅持すると強調。「引き続き地元司法当局や司法省と連携し、危険で乱暴な行為は容認しないことをはっきりさせる」とした。
CNNは司法省にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
FAAによれば、機内で暴れる乗客についての報告は、今年に入って3000件を超えている。そのほとんどがマスク着用規定に関するトラブルだった。米政府が義務付ける機内でのマスク着用を乗客が拒んだという報告は2300件に上る。
客室乗務員組合のサラ・ネルソン氏は今月、CNNの取材に対し、状況は「制御不能」になっていると述べ、「客室乗務員からは、仕事に行くことが不安になったという声が出ている」と指摘。機内での乱暴があまりに横行していることから、ネルソン氏自身も仕事へ行くのが怖くなったと打ち明けていた。