EU、天然ガス消費15%削減に合意 反発受け例外認める
ロンドン(CNN Business) 欧州連合(EU)は26日、深刻な天然ガス不足を防ぐために、天然ガスの消費を制限することで合意した。ただ、一部の国から反発があり、一定の場合には例外を認める形となった。
EU各国のエネルギー相は、8月から来年3月まで天然ガス使用量を自主的に15%削減することで合意した。削減量は過去5年間の同時期の平均量と比較して測定される。
EUの行政府にあたる欧州委員会は先週、「安全な冬のためのガス節約」計画の中で15%削減という目標を発表した。この計画には新法の提案も含まれており、例外的な事態となった場合に各国に削減目標の達成を強制する権限を同委員会に与える内容だった。
しかしここ数日、一部の国から反発を受けたEUは国別の天然ガス依存度や貯蔵量の差異を考慮して大きく譲歩することになった。
加盟国の閣僚でつくるEU理事会は報道資料で「他の加盟国の天然ガスネットワークと相互接続されていない国は、他の加盟国のために相当量の天然ガスを解放することができない」として、15%の消費削減義務から除外することを発表した。
また、各国が天然ガスの貯蔵目標を大幅に超えた場合や、重要産業の電力供給を特に天然ガスに依存している場合などでも削減目標の緩和が可能になるという。
「この決断が簡単でなかったことは承知している」とEU理事会の輪番議長を務めるチェコの産業・貿易相は記者会見で述べ、各国は「満足のいく妥協点」に達したとも付け加えた。
計画はまだ法制化しておらず、加盟27カ国のうち、人口の65%を代表する少なくとも15カ国から承認を受ける必要がある。また義務的削減目標を強制する欧州委員会の提案については別途、投票を行う必要がある。
ロシア国営エネルギー企業ガスプロムは25日、パイプライン「ノルドストリーム1」のガスタービンを修理のため停止し、27日から欧州への天然ガス供給をさらに減らすと発表した。