青と黒? 白と金? ドレスの色論争に専門家も注目
人間やサルは進化の過程で高度な色覚を身につけ、たとえば緑の木になった黄色の実を見分けられるようになった。だが実の色を正しく識別するには、周りの光の影響を排除しなければならないことが多い。
ネブラスカ大学医療センターのウォレス・ソアソン教授によると、私たちの脳は常時、対象に当たった光の色を推測し、それを取り除くという作業を続けている。こうした無意識の過程に、微妙な個人差があると考えられる。
ホーラー博士によれば、学会では多くの研究者がセッションよりもドレスの色に関心を示し、通路で互いの見え方を比較し合っていたという。
偶然に見つかったドレスの画像が、眼科医療の発展につながる可能性を指摘する声も上がっている。国立衛生研究所のエミリー・チュー博士は、「正常な視覚を持つ人々の間でこれほど意見の分かれる画像は、今まで見たことがない」「このような画像を人為的に作り出すのは至難の業だ」とコメント。
ネットを通して不特定多数の人々が参加する「クラウドソーシング」が思いがけない発見につながったと述べ、色覚の仕組みを解明する研究への活用に期待を示した。