宇宙飛行士のヘルメットに水、そのまま5時間の船外活動
(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士が1日、ヘルメット内に少量の水が入ったままの状態で船外活動を実施し、予定通りに作業を完了した。米航空宇宙局(NASA)が明らかにした。
NASAによれば、テリー・バーツ宇宙飛行士がバリー・ウィルモア宇宙飛行士と共に船外活動を実施中、ヘルメットの中に少量の液体があることに気付いた。同じトラブルは2月25日にも起きていて、NASAは「既知の問題であり、心配はない」と説明している。
この日の船外活動は5時間38分にわたって続けられ、ISSの組み立てやメンテナンスのために行われた船外活動の合計はこれで計187回、1171時間29分になった。
バーツさんが使っている宇宙服では以前から、船外活動で再加圧されると冷却装置の水が液化して少量がヘルメットへにじみ出す問題が起きていたという。
25日には再加圧を待っている時にヘルメットの中に湿気を感じ、同僚宇宙飛行士が米ヒューストンの管制センターに連絡。ヘルメットを調べて主に吸収パッドが湿っていることを確認し、注射器を使ってヘルメットから水を抜く作業を行った。抜いた水の量は推定15ミリリットル程度だったという。
.@AstroTerry as seen from a camera on @Space_Station robotic arm's latching end effector. http://t.co/qrm0DzlVee pic.twitter.com/vscnZbnfQN
— NASA (@NASA) 2015, 2月 25
ISSの船外活動では2013年7月にルカ・パルミターノ宇宙飛行士の宇宙服とヘルメットに大量の水がたまるハプニングが起きている。
この時の水の量は1~1.5リットルにも達してパルミターノさんがヘルメットの中でおぼれかねない状態になり、船外活動は中断された。これをきっかけにヘルメットに吸収パッドを取り付けるなどの対策が施された。