消費者が捨てる食べ物、毎年48兆円相当 大半がアジア
ロンドン(CNNMoney) 英国の非営利団体(NPO)「廃棄物・資源行動計画」は1日までに、消費者が無駄にしている食べ物は世界規模で年間4000億米ドル相当に達するとの最新報告書を公表した。現在の為替相場では約48兆円に相当する。
食べずに放棄などされている量の大半はアジアで発生し、欧州や北米が続くとしている。報告書は、世界規模で捨て去られる食べ物は毎年2億8000万トンと推定する国連調査などを参考に作成された。
2億8000万トンの量は、米東部ニュージャージー州にある「メットライフ・スタジアム」を560回埋め尽くせる規模となっている。
同NPOは報道発表文で、消費者が食べ物の浪費により注意深くなれば数百億もしくは数千億ドルの節約につながるだろうと指摘。日常生活で冷蔵庫内の平均温度を下げたり、食べ残しの保管方法を改善したりすれば大きな違いが生まれるとも説明している。
また、発展途上国で捨てられる食べ物の約4分の1は冷蔵器具の改良で再利用出来る可能性があるとも指摘。ただ、この問題には消費者の不注意による無駄遣いの次元を超えた側面もあり、農地での野菜物の腐乱、加工や流通段階で食料の鮮度などが損なわれる要因も絡むと述べた。
国連によると、投棄される食べ物のうちの4億1500万トンは毎年、栽培の段階で発生し、6億トンは消費者に届く前の収穫の時点で起きている。