北朝鮮、同国史上最大かつ最も高度とみられる軍艦を建造中 衛星画像で明らかに
ソウル(CNN) 新たな衛星画像によると、北朝鮮は西部にある南浦造船所で同国史上最大規模の軍艦を建造している。金正恩(キムジョンウン)総書記率いる海軍艦艇の倍以上の大きさになる可能性もある。画像は独立系衛星事業者マクサー・テクノロジーズとプラネット・ラボが今月6日に撮影した。
アナリストによると、画像は艦艇の兵器やその他の内部システムの建造状況を示している。この艦艇は、陸上および海上の標的を攻撃するために垂直発射管にミサイルを搭載するように設計された誘導ミサイルフリゲート艦(FFG)である可能性が高い。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の分析によると、「FFGは全長およそ140メートルで、北朝鮮で建造される軍艦の中で最大」。参考までに米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦の全長は約154メートル、建造中のコンステレーション級フリゲート艦は約150メートルだ。
この軍艦の存在は驚くべきことではない。
金政権は軍の急速な近代化を進めており、さまざまな新型兵器の開発や、米国のほぼ全域を射程に収める大陸間弾道ミサイルの実験を行っている。
国連の制裁により、これらの兵器開発に必要な原材料や技術の入手には厳しい制限が課されているにもかかわらず、北朝鮮は開発を推し進めている。

金正恩(キムジョンウン)総書記は昨年後半、新たな軍艦の建造を視察した。画像は朝鮮中央テレビが放映したもの/Korean Central TV
ウクライナ戦争の勃発以降、ロシアとの関係が緊密化していることが、北朝鮮の制裁回避に役立っている可能性があるとアナリストらは指摘する。
韓国海軍の退役将官は、このフリゲート艦のミサイルシステム技術はロシアが提供している可能性があるとの見方を示した。
アナリストらによると、この艦艇にはフェーズドアレイレーダーが搭載されているようだ。このレーダーは、これまで北朝鮮が示してきた能力よりも迅速かつ正確に脅威や目標を追跡できる。
退役した米海軍大尉でハワイ在住のアナリスト、カール・シュスター氏は衛星画像を確認し、この新型軍艦が海上試験を開始するまでには、まだ1年以上の作業が必要になる公算が高いと述べた。
同氏によると「この艦の建造は、搭載予定の上部構造やセンサー、兵器システムの不足によって遅れている」という。