広場での集団ダンスに規制、騒音苦情や秩序維持で 中国
香港(CNNMoney) 中国の国営メディアは29日までに、中高年女性らが多数参加し公園や広場で早朝や夕方に楽しむ集団ダンスが騒音被害などの苦情を招いているとして、当局が公共秩序の維持を図るためダンスの種類や演奏される曲を限定する対策を講じたと報じた。
全国統一となる12種のダンスの形態や曲目は国家体育総局と文化省が選んだ。この種のダンスは国内の多数の都市で見られるが、音楽を高らかに鳴り響かせ多数のダンス参加者が踊りに興じる姿は、近隣住民との衝突を招き、女性たちに人間の排出物を浴びせる騒ぎも起きていた。
国営メディアによると、今回の当局の決定により、これまで地区ごとに種類がばらばらだったダンスは禁じられた。
政府公認の踊りの形態や曲目は今後数カ月間にわたって600人以上の指導教官によって周知徹底されるという。
中国では過去にも庶民の文化が規制の対象になったことがある。故毛沢東国家主席の時代には共産党が指導部のプロパガンダを浸透させるため京劇や舞踏の内容を脚色したこともある。
習近平(シーチンピン)国家主席率いる中国指導部は近年、葬儀への過大な支出を戒め、政府職員らの腐敗行為の摘発などを徹底する姿勢を打ち出している。汚職の根絶対策は結果的に同国経済の成長率に悪影響を及ぼしているとの指摘もある。