「パンダよりかわいい」ナキウサギ、20年ぶりに発見 中国
北京(CNN) 中国の研究者がこのほど、北西部の高山に生息する絶滅危惧種の小型哺乳類「イリナキウサギ」を約20年ぶりに発見し、縫いぐるみのような愛らしい姿をカメラに収めることに成功した。個体数は激減しているといい、保護対策が必要だと訴えている。
イリナキウサギは新疆ウイグル自治区にある天山山脈の岩場に生息するナキウサギの1種で、体長約20センチ。「ジャイアントパンダよりかわいい」とも言われる。中国の研究者、リー・ウェイドン氏が1983年に発見して新種と確認され、国際自然保護連合が2008年に絶滅危惧種に指定した。
生息数は発見時に比べて70%近く減ったと推定され、現在は1000匹を下回るという。
1992年に同氏が別の研究に携わるようになってからは目撃情報が途絶えていたが、昨年、20人の調査団を組織して現地調査を行ったところ、2日目にリー氏の足元に姿を現したという。
地球温暖化の影響で万年雪が減ったために生息地が縮小し、かつて生息していた標高3200~3400メートルの地点から、今では4100メートルの地点にまで追いやられた。
鳴き声が小さいために天敵の接近を仲間同士で知らせ合うことができないことや、病気も減少の一因になった可能性がある。
中国の法律ではまだ保護種に指定されておらず、公式調査も行われてこなかった。リー氏は同地を保護区に指定してイリナキウサギの保護対策に乗り出してほしいと訴えている。