イスラエル、ガザで新たな地上作戦を検討 ハマスへの圧力強める
(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で、新たに大規模な軍事作戦の実施を計画していることがわかった。ガザの広い範囲を掃討・占領するため数万人の兵士を派遣するという。情報筋が明らかにした。
イスラエル政府はガザへの攻撃を強化し、戦争終結に向けた交渉をイスラム組織ハマスと行わずに、さらなる人質の解放を迫ろうとしている。大規模な地上作戦はイスラエル政府が検討している複数のシナリオのうちの一つだ。
エジプトとカタールはここ数日、イスラエルとハマスとの間の停戦再開に向け、動きを強めている。情報筋によれば、大規模な地上作戦に関する情報の漏洩(ろうえい)は、交渉の場でハマスに対し、さらなる圧力をかけようとするイスラエルの取り組みの一環だという。イスラエルは先に、ハマスがさらなる人質の解放に同意すれば、攻撃を停止するとの考えを明らかにしていた。

ガザ北部で目撃されたイスラエル軍の戦車=19日/Jack Guez/AFP/Getty Images
イスラエル軍は新たに参謀総長に就任したザミール中将の下、数週間前から、ガザでの大規模な軍事作戦の策定を進めている。
イスラエル国家安全保障会議の元幹部はCNNの取材に対し、「人質の交渉が再開されなければ、唯一の選択肢は戦闘の再開だ」と指摘した。
イスラエル軍はハマスとの戦闘を通じ、ガザで繰り返し地上作戦を実施してきた。標的となる地区でハマスの戦闘員を敗走させた後は、数日または数週間以内に撤退することが多かった。イスラエル軍の駐留や、代わりの統治機関や軍事力がなければ、ハマスは再びこれらの地区に姿を現し、これがイスラエル軍の新たな地上作戦につながっていた。
情報筋によれば、現在検討されているシナリオの一つは、イスラエル軍がガザの広い範囲でハマスを排除し、その後、そうした地域を占領してハマスの復活を防ぐというもの。そうなれば、イスラエル軍はガザの一部を占領し、何年にもわたってハマスと戦うことになる可能性がある。