誤ってエルサルバドル巨大刑務所に移送、男性の心に「トラウマ」 米上院議員が面会
(CNN) クリス・バンホーレン米上院議員は18日、誤ってエルサルバドルに強制送還されたメリーランド州在住の男性、キルマー・アブレゴガルシア氏との先日の面会について詳しく説明した。アブレゴガルシア氏はエルサルバドルの悪名高い巨大刑務所「CECOT」で過ごした時間で「トラウマ」を負い、別の施設に移送されたという。
バンホーレン氏はメリーランド州選出の民主党議員。帰国後に首都ワシントン近郊のダレス国際空港で記者団の取材に応じ、アブレゴガルシア氏について「同じ監房にいる受刑者は怖くなかったが、CECOTにいること自体がトラウマになった、別の区画の受刑者からさまざまな形で声を掛けられて嘲笑(ちょうしょう)され、恐怖を感じたと語っていた」と明らかにした。
エルサルバドル国籍のアブレゴガルシア氏はバンホーレン氏に、9日前に最厳重警備のCECOTから別の収容施設へ移送されたと語ったという。
「彼はもうCECOTにはいない」「(エルサルバドルの首都)サンサルバドルからかなり離れた別の刑務所にいる」とバンホーレン氏は指摘。新たな施設はサンタアナにあり「環境は比較的良い」と明らかにしたものの、これ以上の詳細には触れなかった。
バンホーレン氏はまた、トランプ政権がアブレゴガルシア氏を含む受刑者の収容費としてエルサルバドルに1500万ドル(約21億円)を支払うことを約束したと主張。これまでに400万ドルが「支払い済み」だとした。

アブレゴガルシア氏と面会するバンホーレン上院議員/Sen Chris Van Hollen/Facebook
バンホーレン氏はアブレゴガルシア氏の解放を求め、今週エルサルバドルを訪問した。当初は厳重警備の刑務所への立ち入りを拒否されたが、17日に面会を果たした。アブレゴガルシア氏は3月に誤ってエルサルバドルに強制送還されており、この件はトランプ政権の強硬な送還政策を巡る論争の中心になっている。