ガザの犠牲者5万人超す、実際にははるかに多い可能性
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は23日、イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、ガザで死亡した住民が5万人を超えたと発表した。死者の数は過去24時間だけで41人増え、合計5万21人となった。
ガザ保健省や国連によると、死者の大部分は女性と子どもだった。まだがれきの下敷きになっている犠牲者も数千人に上ると思われ、実際の犠牲者数は5万人を大幅に上回る可能性がある。

イスラエル軍による攻撃で亡くなった親族を悼むパレスチナ人女性と子ども=22日、パレスチナ自治区ガザ地区ベイトラヒア/Bashar Taleb/AFP via Getty Images
イスラエル軍はCNNに対し、この数字は「矛盾や誤った判断に満ちている」と述べ、ガザ保健省は自然死など衝突とは無関係の死者を集計に含める傾向があると主張した。
国連や米国務省は繰り返し、ガザ保健省の数字は正確だとの見方を示してきた。中立的な学術調査では、真の犠牲者数は発表されている数字よりもはるかに多いと推測している。
イスラエルは2カ月間の停戦を破ってハマスとの戦闘を再開し、18日の空爆ではガザ保健省の発表で400人以上がイスラエルの攻撃によって死亡した。19日にはイスラエルの地上作戦も再開された。
ハマスは20日、停戦崩壊後初めてイスラエルに向けてロケット弾を発射した。
200万人を超すガザの住民はほぼ全員が自宅からの避難を強いられている。医療体制は激しいダメージを受け、病院は戦闘の場になった。イスラエルは今月に入ってガザへの援助物資搬入を封鎖しており、新たな戦闘によって物資の流通も妨げられる中、人道危機や飢餓が進行している地域もある。