中国がボーイング機の納入受け入れ停止か、株価下落 貿易戦争の一環

ワシントン州レントンの工場で組み立て中のボーイング737MAX/Jennifer Buchanan/Pool/Reuters

ワシントン州レントンの工場で組み立て中のボーイング737MAX/Jennifer Buchanan/Pool/Reuters

(CNN) 中国が過熱する米中貿易戦争の一環で、米ボーイングによる機体納入の受け入れを全面停止するよう国内の航空会社に指示したとの報道を受け、ボーイングの株価は15日の取引で下落した。

ボーイングはダウ工業株平均の構成銘柄。機体納入の受け入れ停止を巡るブルームバーグ通信の報道を受け、ボーイング株は早い時間帯の取引で下落し、正午までに1%下げた。

CNNはこの報道に関して中国当局とボーイング、ホワイトハウスにコメントを求めているものの、現時点で回答は得られていない。

今回の動きは米国最大の輸出企業であるボーイングだけでなく、米国経済そのものに打撃を与えるとみられる。トランプ米大統領は貿易相手国に対する関税導入を進めており、中国製品の多くに最低145%の関税をかけている。他国も報復に出ており、一部のケースでは報復合戦が世界各地の企業や製造業、雇用に打撃を与える恐れが出ている。

トランプ氏の中国に対する敵意は特に激しく、米国の農家から「iPhone(アイフォーン)」の出荷まで、あらゆる分野に過熱する米中貿易戦争の影響が及ぶ恐れがある。関税の免除や遅れに関する混乱も強まっている。

ボーイングは現在の貿易紛争の影響を特に受けやすい。多くの多国籍企業と異なり、ボーイングは米国内の工場ですべての航空機を製造した後、同社の商用機の約3分の2を国外の顧客に出荷している。

ボーイングは米国経済の要だ。その貢献額は推定790億ドル(約11兆3000億円)に上り、160万人の雇用を直接・間接に支えている。米国内に抱える従業員数は15万人近い。

ボーイングは6年間にわたり業績不振が続いており、最後に年間黒字を計上した2018年以降、510億ドルの営業損失を計上している。中国は世界最大の航空機購入市場で、ボーイング自身の最近の分析によれば、中国の航空会社は今後20年で8830機の新造機を購入すると予測されている。

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