習主席がベトナム訪問、「一方的ないじめ」への抵抗呼び掛け 米中貿易戦争受け

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訪問先のベトナムで手を振る中国の習近平(シーチンピン)国家主席=14日/Athit Perawongmetha/Pool/Reuters

訪問先のベトナムで手を振る中国の習近平(シーチンピン)国家主席=14日/Athit Perawongmetha/Pool/Reuters

香港(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、ベトナムに対して、「一方的ないじめ」に抵抗し、自由で開かれた貿易を堅持するよう求めた。習氏は中国について米国とは対照的な安定したパートナーであると位置づけようとしており、輸出産業が経済にとって重要なアジア各国への歴訪を開始した。

習氏は14日、ベトナムに到着した。さらに15日から18日にかけてマレーシアとカンボジアを訪問する予定。こうした国々は近年、中国との間で貿易や投資を拡大させている。

習氏はベトナム首脳らとの会談で、両国が世界的な自由貿易体制と産業、サプライチェーン(供給網)の安定の維持に向けて協力すべきだと語った。中国国営新華社通信が伝えた。

新華社によれば、習氏は「中国の巨大な市場は常にベトナムに開かれている」と述べ、中国とベトナムは戦略的な焦点を強化し、一方的な圧力に対して共同で反対すべきだと伝えたという。

米国のトランプ大統領は「相互関税」について、ほとんどの国・地域に対して90日間の猶予を打ち出す一方で、貿易戦争の焦点を中国に絞り込みつつある。

米中が互いに過去最高水準の関税を課すなか、米国の関税発動が猶予されている東南アジア各国は、世界の2大経済大国間の貿易摩擦に巻き込まれることへの不安を募らせている。

習氏は「トランプ関税」による混乱に乗じて、中国が信頼できるパートナーであり、世界貿易の守護者だと位置づけようとしている。ベトナムとカンボジアはトランプ関税による打撃が最も大きかった国で、停止前の関税率はそれぞれ46%と49%だった。

各国は習氏を歓迎しているが、専門家は、そうした国々も慎重に行動する必要があるとの見方を示す。中国側に立っているという印象を与えないようにして、関税をめぐる交渉でトランプ氏を刺激するような危険を避けるためだ。

東南アジア諸国の一部は、高い関税によって米市場から締め出された安価な中国製品が大量に流入することを警戒している。中国はすでにベトナムに対して貿易黒字を計上しており、ベトナムからの輸入額の1.6倍を輸出している。

中国の統計によれば、2023年以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)は中国にとって、米国と欧州連合(EU)を上回る最大の輸出市場となっている。

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