米FBI、ウィスコンシン州の判事を逮捕 移民摘発を妨害した容疑
(CNN) 米ウィスコンシン州ミルウォーキー郡巡回裁判所の判事が25日、適切な書類を持たない移民の逮捕逃れをほう助したとして連邦捜査局(FBI)に逮捕され、連邦裁判所で訴追された。
逮捕されたハンナ・デュガン判事には、妨害容疑および逮捕対象者を隠匿した容疑がかけられている。デュガン判事は裁判所に出廷した後、釈放された。
連邦の罪状に基づく今回の逮捕は、判事らの動き、とりわけ移民取り締まり関連の動きに目を光らせるトランプ政権の姿勢が一段と強まったことを示す。司法省はこれまで、移民問題で連邦当局に協力しない地方当局者は捜査対象になると繰り返し表明してきた。
FBIのパテル長官は25日午前、X(旧ツイッター)で「デュガン判事は連邦捜査員を誤った方向に誘導して、逮捕される予定だったエドゥアルド・フローレスルイス容疑者から意図的に遠ざけ、違法滞在者である容疑者の逮捕逃れを許した」と主張。「幸いなことに、我々の捜査員が徒歩で容疑者を追跡して身柄を確保したが、判事の妨害は市民の危険を増大させた」と述べた。
AP通信によると、デュガン判事の弁護人は同日、法廷で「判事は逮捕を心から遺憾に思っており、抗議する。公共の安全のために行われた逮捕ではない」と指摘した。
訴追書類によれば、私服姿の連邦捜査員らは今月18日、フローレスルイス容疑者を逮捕する目的でデュガン判事の法廷を訪れた。メキシコ人移民のフローレスルイス容疑者は2013年に米国から国外退去処分となったが、地元の家庭内暴力事件で逮捕されたことで、違法に再入国していたことが発覚した。
法廷文書によれば、デュガン判事はフローレスルイス容疑者とその弁護士に、裁判所内の非公開区域へ通じる「陪審員用ドア」から退出するよう指示。複数の証人がこの場面を目撃したと証言したとされる。