ロシア軍将官、モスクワ郊外の車爆発で死亡 米特使とプーチン氏の会談直前
(CNN) ロシアの都市バラシハで25日に車が爆発し、当局によると、ロシア軍の有力な将官が死亡した。トランプ米大統領の特使、スティーブ・ウィトコフ氏がロシアの首都モスクワでプーチン大統領と会談する直前だった。
トランプ氏が自らに課した「就任100日以内にウクライナ戦争終結」という期限が迫る中、ウィトコフ氏は停戦の可能性について協議するためモスクワ入りしている。
ロシア国営タス通信によれば、ウィトコフ氏は25日午後、クレムリン(大統領府)でプーチン氏に迎えられた。ロシア側の交渉責任者であるキリル・ドミトリエフ氏とも面会したという。
トランプ氏が今年1月に大統領に返り咲いて以来、ウィトコフ氏がロシアを訪れるのは4度目。今月だけでも2度目となる。
ロシアのラブロフ外相は24日、米CBSニュースのインタビューで、戦争終結に関して「合意に至る用意がある」としつつも、依然として「微調整」が必要な具体事項が残ると言い添えていた。

ウィトコフ氏と握手するプーチン氏=25日、モスクワ/Kremlin/Reuters
会談の直前、ロシア軍参謀本部作戦総局のヤロスラブ・モスカリク次長が、バラシハで発生したフォルクスワーゲン(VW)「ゴルフ」の爆発で死亡した。バラシハはモスクワの東32キロ以内に位置する都市。
ロシア連邦捜査委員会はモスカリク氏の死亡を確認し、爆発は破片が詰まった即席の爆発装置によるものだったと明らかにした。
犯行声明は出ていない。攻撃の性質はウクライナでの化学兵器使用を主導したとされるロシア軍将官、イーゴリ・キリロフ氏らが暗殺された過去の事件に類似しているように見える。
影響力の大きいロシアの軍事ブログ「ライバー」によると、モスカリク氏は爆発時、車内ではなく、近隣の建物から出てきて車の近くにいたとされる。CNNはこの報道について独自に確認できていない。
モスカリク氏についての情報は乏しい。階級は中将。
ライバーはモスカリク氏を「有能で厳格」と評し、「部下に厳しかった」ことから「好かれてはいなかった」としている。
ロシア連邦捜査委員会は、刑事事件として捜査に着手したと発表。法医学の専門家や法執行当局者を含むチームが現場検証を始めたと明らかにした。