イスラエル、ガザ南部の病院を空爆 援助物資封鎖で飢餓の危機深刻化
(CNN) イスラエル軍は23日夜、パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスにあるナセル病院を空爆した。同病院の医師2人がCNNに語ったところによると、この空爆で病院の一部が炎上し、複数の犠牲者が出ている。
イスラエル軍は、「(病院の)内部で活動していたテロ組織ハマスのテロ中心人物」に空爆を実行したことを確認した。標的とした人物の氏名は明らかにしていない。
イスラム組織ハマス系のアクサTVは、ハマス政治局員のイスマイル・バルフーム氏とおいのイブラヒム氏がナセル病院に対する攻撃で死亡したと伝えた。バルフーム氏は今月18日にイスラエルの攻撃で負傷して治療を受けていたという。
ハマスはバルフーム氏の死亡をめぐり、イスラエルが国際社会の規範や合意を無視している現実を見せつけたと批判した。
ジュネーブ条約に基づき、病院は武力衝突の中でも特別な保護を受ける権利がある。攻撃が認められるのは、「敵を害する行為」に利用されているなど極めて限定的な状況に限られる。
2人の医師がCNNに語ったところによると、23日の空爆では病院の2階にある男性外科病棟が攻撃され、複数の死者が出ている。当時、同病院では欧州や米国のチームも勤務していたという。
現場からの写真には炎と煙が噴き出す様子が写っており、病院前の通りには大勢の人が集まっている。
CNNが医師から提供を受けた病院内の映像には、がれきに埋もれた廊下をぼう然とした様子で歩く人たちが映っている。電気は消え、一体に煙が立ち込めていた。