赤ちゃん6人が低体温症で死亡 ガザ

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パレスチナ自治区ガザ地区で23日以降に乳児6人が低体温症のために死亡した/Hani Alshaer/Anadolu/Getty Images

パレスチナ自治区ガザ地区で23日以降に乳児6人が低体温症のために死亡した/Hani Alshaer/Anadolu/Getty Images

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で23日以降、赤ちゃん6人が低体温症のために死亡した。ガザの保健当局者が明らかにした。当局者は、より多くの支援物資がガザに搬入されないか限り、こうした死者がさらに増えると警告している。

ガザ北部にあるPFBS病院のサイード・サラー博士は、ガザでの冬の状況を乗り切ろうとする際、低体温症に苦しむ赤ちゃんの数が増加しているという「災害」について警告した。

サラー氏によれば、過去2週間で低体温症の赤ちゃん8人が入院した。このうち3人は集中治療室(ICU)に入ったが、3人は到着から数時間以内に死亡した。

25日には、わずか生後69日の赤ちゃんが夜間に死亡した。南部ハンユニスのナセル病院で働く医療従事者によれば、同病院でも2人の赤ちゃんが低体温症で死亡した。

サラー氏は、人々が暖を取れるように、より多くの移動住宅やテント、燃料が必要だと述べた。そうした設備があれば、今回のような大惨事が繰り返されることを食い止め、低体温症や凍傷による新生児の死亡を防ぐことができると訴えた。

脆弱(ぜいじゃく)な停戦合意によってガザではイスラエルによる軍事作戦から一時的な猶予が得られている。2023年10月にイスラム組織ハマスが行った奇襲攻撃では、イスラエルで1200人以上が死亡したほか、250人あまりが人質となった。イスラエルはこの奇襲を受けて長期間にわたる軍事作戦を開始した。

ガザ保健省は25日、ガザでは少なくとも4万8348人が死亡したほか、11万1761人が負傷したと報告した。

生き残った人たちは地域社会の再建と破壊からの復興に苦慮していると語った。ガザでは医療制度が破壊され、飢餓や避難、病気の危険性が広がっている。国連によれば、35ある病院のうち部分的に機能している病院は20カ所にとどまる。

ハマスは繰り返し、イスラエルが停戦合意に違反して、ガザへの人道支援物資の搬入を妨げていると非難している。イスラエル側はこうした主張を否定している。

ナセル病院では、パレスチナ人の母親が毛布にくるまれた青白い赤ちゃんを優しくなでていた。ユサフちゃんは生後2カ月で、同病院で低体温症の治療を受けている多くの新生児のひとりだ。

25日に病院で撮影された動画には母親が赤ちゃんの体温を測ろうとする様子が映っている。母親は赤ちゃんについて「骸骨(がいこつ)」のようになってしまったと語った。一家は近くのテントに避難しており、少なくとも15人の親族が一緒にいるという。

病院の医師によれば、ユサフちゃんは未熟児で生まれてきた。体重が2キロのため低体温症になりやすくなっているという。

イスラエルがガザで行った戦闘行為により多くのパレスチナ人が難民キャンプのテントに避難している。国連によれば、少なくとも190万人が住む場所を追われた。多くが屋外に避難しており、布やナイロンで作られた間に合わせのテントで何カ月にもわたり生活しており、暖房や電気などをほとんど利用できていない。

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