食料配布も医療支援も停止 米対外援助の凍結、世界中で深まる人道危機
(CNN) 食料配布が止まり、保健医療サービスも救命措置も、資金調達の手段がなくなったためにストップした。米支援機関職員は、トランプ政権が対外援助を凍結し、国際開発局(USAID)の閉鎖を打ち出した影響だと訴えている。
「援助を受けている人々にとっては生死にかかわる」とあるUSAID職員は言う。
別のUSAID職員は、パートナー機関が大きなショックを受けているとCNNに語った。業務停止命令は2週間目に入り、パートナーとしての米国の信頼が揺らいでいる。
「我々はウクライナ、ビルマ(ミャンマー)、スーダンなど、世界の中でも特に複雑かつ危険で、多大な人道ニーズがある場所で活動している」「その全てが止まった」とこの職員は訴える。
CNNの取材に応じた職員や関係者はほぼ全員が、仕事を失うことや、自分のプロジェクトが今後の資金を失うことを恐れて、匿名を希望した。
「自分たちの仕事は米国の力と海外での安定のために重要だと思っている。いいことだからやっているわけではない。我々は、与えるよりも得るものの方がはるかに多い」と職員は力を込める。
命を救う人道支援や食糧支援にかかわるプログラムは凍結を免除すると米政権は説明しているものの、「そうした免除は100%無意味」とUSAID職員は言い切った。現場での活動はパートナー機関が資金を拠出して行い、その資金を後に払い戻す仕組みになっていることから、そうした支払いが処理できず、免除は意味をなさないという。
世界中の支援団体が未払い契約に苦しむ中で、米国人を含む数千人が職を失っている。