ロシア軍参加の中国人は155人、ウクライナ情報機関が確認とゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、同国の情報機関がロシア軍側について戦う中国人155人を確認したことを明らかにした。前日には中国人2人を捕虜として拘束したと述べていた。
ゼレンスキー氏によれば、これらの中国人はソーシャルメディアを含む広告を通じて集められた。
中国はロシアとウクライナとの戦争への関与を一貫して否定している。
中国外務省の報道官は9日、中国人がウクライナで戦っているとするいかなる主張にも「根拠がない」と強調。中国政府は常に国民に対し、紛争地域に近づかないよう、またいかなる形でも紛争に関与しないよう指示していると述べた。
CNNが確認したウクライナの治安機関の文書には、ロシア軍に従事する中国人150人以上のリストが掲載されている。彼らの大半は軍内で最も低い階級に属する。
文書に記された契約の日付はほとんどが「2024年」となっている。配属先は様々な部隊に及んでいる。
CNNは文書の内容が真実かどうか検証していない。
ゼレンスキー氏は、現在も情報を収集しており、現状よりずっと多くの中国人がロシア軍内にいるとの見方を強調。中国政府はロシアが兵士募集の動画を中国のソーシャルメディアに投稿しているのを認識していると述べた。
その上で、これらの中国人はモスクワ入りした後、3~4日かけて身体検査を受け、訓練拠点で1~2カ月過ごすと付け加えた。実際に戦っているのはウクライナ領内だという。
こうした中国人の存在は中国政府による公式の政策の結果だと思うかとの質問に対し、ゼレンスキー氏は現時点で答えは出ていないと返答。ウクライナ保安庁がそれについて調べることになると述べた。
また拘束したとする中国人2人に関しては、「捕虜交換の用意がある」とした。
クレムリン(ロシア大統領府)の報道官は9日、中国人がウクライナで拘束されたとの主張に対してコメントを控えた。中国政府はウクライナ側と状況を「検証中」だとした。
ウクライナ軍によれば同国東部で拘束された中国人2人のうちの1人は、中国国内の仲介者を通じて金を支払い、ロシア国籍の取得を目標にロシア軍に加入したと話しているという。