イスラエル、ガザ南部の病院を空爆 援助物資封鎖で飢餓の危機深刻化
迫る飢餓の危機
イスラエル軍は23日、ガザ南部ラファの西に位置するテル・アル・スルタン地区の包囲を完了したと発表。「夜間に同地区を包囲して数人のテロリストを排除し、過去数カ月にわたってハマスの指令拠点として使われていたインフラに対する攻撃を実行した」としている。
これに先立ちイスラエル軍はテル・アル・スルタン地区からの即時退避を勧告し、北部のマワシ地区へ移動するよう民間人に指示していた。ただし車の使用は許可せず、徒歩での避難を強要した。
ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府は、テル・アル・スルタン地区がイスラエル軍の激しい攻撃に遭い、既に避難民となっていた数千人がテントからの退避を強いられたとSNSに投稿した。
ガザの市民防衛隊は、ラファ西部のバラクサット地区がイスラエル軍に包囲され、民間人5万人以上の生命に重大な危険が差し迫っていると伝えた。
パレスチナ赤新月社は、イスラエルのラファ攻撃を受けて出動した救急車4台が包囲されたと伝えた。ラファ西部で救急隊員を救出しようとした市民防衛隊員とは連絡が取れなくなっているという。
ハマス系のメディアによれば、南部のハンユニスでも自治体の車が攻撃され、3人が死亡した。
ハマスによると、同地で政治局員のサラ・バルダウィル氏が身を寄せていた避難民用のテントがイスラエルに攻撃され、バルダウィル氏と妻が死亡した。
イスラエルはガザに対する攻撃再開に先立ち、支援物資のガザ搬入を封鎖した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によれば、ガザには3週間にわたって食料も、水も、医薬品も、燃料も入っていない。UNRWAは23日、「食料がない毎日が続き、ガザは差し迫った飢えの危機へ刻々と近づいている」とSNSに投稿した。
イスラエル軍はガザ北部でも地上作戦を継続している。