イスラエル首相、ガザでの戦闘継続を明言 国内で反発強まる
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は19日、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘について、継続する考えを明らかにした。ガザ情勢をめぐっては、イスラエル国内で軍事作戦に対する批判の声が強くなりつつある。
ネタニヤフ氏は事前に録画された動画を通じ、イスラエルには自国の存続のために勝利するまで戦い続ける以外の選択肢はないと述べた。イスラム組織ハマスを壊滅させ、残りの人質59人を解放するために、忍耐と粘り強さが必要だとも訴えた。
ネタニヤフ氏は、イスラエルがガザへの爆撃を継続している理由として、ハマスが最近、停戦案を拒否したことを挙げた。イスラエルが提示した停戦案では、ガザの武装解除を求めているほか、戦闘の恒久的な停止は含まれていない。これはいずれも、ハマスにとって譲れない一線となっている。
ネタニヤフ氏は「もし、今、ハマスの要求に屈すれば、我が国の兵士、戦死した英雄、負傷した英雄が成し遂げた全ての素晴らしい功績が、ただ失われることになる」と語った。
イスラエルの家族団体「人質・行方不明者家族フォーラム」はネタニヤフ氏の録画された発言を批判した。同団体は「どんな言葉やスローガンを唱えても、単純な真実、つまり、ネタニヤフ氏には計画がないということを隠すことはできない。質問のための時間がなかったのは驚きではない。そうでなければ、ネタニヤフ氏は最も基本的な質問に答えなければならなかった。『人質59人を即座に帰還させるために、イスラエルは何をしようとしているのか』」

人質の解放を求めて、政府やネタニヤフ首相に対する抗議デモを行う人たち=3月、イスラエル・テルアビブ/Itai Ron/Reuters
イスラエル国内ではガザで続く軍事作戦に対する抗議や反発が広がりつつある。
イスラエル軍の予備役や退役軍人数千人が、戦争終結の代償を支払ってでも、人質全員の帰還を求める停戦協定を結ぶよう求める公開書簡に署名している。公開書簡に署名する人の数は、精鋭の情報部隊や特殊部隊、民間の専門職などにより、ますます増加している。
最近の世論調査によれば、多くのイスラエル人は、たとえ戦闘の終結を意味するとしても、人質返還の合意を優先している。地元メディアが先月発表した世論調査によれば、約70%がそうした停戦合意を支持しており、戦争終結に反対したのは21%にとどまった。