新種のアンコウ、メキシコ湾の深海で発見
(CNN) 背中が曲がってとげやひげが突き出し、大きな口の中には不ぞろいの歯。頭からは細長い釣りざおのような突起が伸びている――。メキシコ湾の深海で、そんな姿をしたアンコウの新種が見つかった。米ノバサウスイースタン大学の研究者が専門誌に発表した。
新種はメキシコ湾北部の1000~1500メートルの深海で見つかり、3匹が捕獲された。この深さの海は「ミッドナイトゾーン」と呼ばれ、太陽の光が届かないため植物はない。深海生物は海底に降下していくマリンスノーと呼ばれる生物の死骸などを餌としている。
アンコウの突起は背びれが進化したものと言われ、実際にこれを釣りざおのように使って魚をおびき寄せ、餌にしている。
今回見つかった新種は、円形に近い体をもつ一般的なアンコウとはかなり違った姿をしていた。体長は10センチ足らずで、3匹ともメスだった。
アンコウの一部の種類では、オスは泳いでいる姿を発見されることは滅多にない。体はメスよりもずっと小さく、メスに食い込んで寄生するため、一見するとメスの体に付いたこぶのように見える。
多くのアンコウにとって寄生は繁殖の手段で、オスの体は退化して生殖器と化し、時期が来ると放精できる状態になる。