日食の観察で網膜に三日月形の傷、NYの女性の症例
(CNN) 今年8月に米ニューヨーク市内で日食を観察していて網膜を損傷した26歳の女性の症例が、7日の眼科学会誌に発表された。女性の網膜には、日食とまったく同じ形の三日月形の傷があった。
この女性、ニア・ペインさん(26)は8月21日、ニューヨークのスタテン島で日食を観察した。最初は肉眼で太陽を見上げたものの、まぶしすぎて何も見えなかったため、近くにいた女性にめがねを借り、それを着けて15~20秒間、部分日食を観察したという。
日食を観察するためには、国際標準化機構(IOS)の基準を満たした専用のめがねを使う必要がある。
しかし日食観察の人気上昇に伴い、日食めがねは品薄状態になる。ペインさんも、日食めがねがどんなものかは知らなかったという。使ったのはサングラスのようなめがねで、太陽は非常にまぶしいと感じた。
「それでも気にはしなかった。日食の観察は素晴らしい経験だと思ったから」。CNNの取材に応じたペインさんはそう振り返った。
視野の中心部に暗く見える部分があることに気づいたのは、それから6時間後。翌日になると、左目の中心部の視野が欠けた状態になっていた。
最初に受診した救急病院では、それほど深刻な症状とは受け止められず、網膜も診てもらえなかった。