世界の子どもの93%、「大気汚染」の中で生活 WHO
(CNN) 世界保健機関(WHO)は30日までに、世界の15歳未満の子どもの約93%が健康状態や発育に深刻なリスクをもたらす汚れた空気を吸っているとの報告書を発表した。人数にすると18億人に相当するという。
2016年には推計60万人の子どもが大気汚染によって引き起こされた急性下気道感染症によって死亡したという。
5歳未満の子どもの健康にとって大気汚染は大きな脅威のひとつであり、この年齢層のうち約10人に1人が大気汚染の影響で死亡している。
WHO事務局長は声明で、「言い訳はできない。すべての子どもたちが、きれいな空気を吸えるべきであり、それによって、子どもたちは成長でき、潜在能力を発揮できるようになる」と強調した。
報告書によれば、大気汚染は、神経の発達や認識能力に影響を及ぼし、ぜんそくや小児がんを引き起こす可能性もある。汚染された大気に過度にさらされた子どもは、大人になって循環器系の疾患など慢性的な症状に見舞われるリスクも高まる可能性があるという。
WHOによれば、子どもは汚染について、より影響を受けやすい。子どもはより頻繁に呼吸することでより多くの汚染物質を吸い込むほか、一部の汚染物質がたまりやすい地面にも近いためだという。