深海泳ぐ「頭のないチキンモンスター」の映像、南極海保護を後押し

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別名「頭のないチキンモンスター」とも呼ばれるユメナマコ/Australian Department of the Environment and Energy Australian Antarctic Division

別名「頭のないチキンモンスター」とも呼ばれるユメナマコ/Australian Department of the Environment and Energy Australian Antarctic Division

(CNN) オーストラリアの研究チームが新開発の技術を使って、珍しいナマコの一種「ユメナマコ」が南極海の深海を泳ぐ姿を撮影することに、世界で初めて成功した。ユメナマコは別名「頭のないチキンモンスター」とも呼ばれ、野生の個体はこれまでメキシコ湾でしか撮影されたことがなかった。

希少な映像の撮影は、南極圏東部に新たな海洋保護区(MPA)を設置する提案を後押しする助けになるかもしれない。

ユメナマコの映像は、オーストラリア南極局(AAD)が延縄漁業用に開発した水中カメラを使って撮影された。カメラと電子部品は頑丈なケースで守られ、極端に水圧が高い環境で長時間稼働できる設計になっている。これを漁業用の延縄に取りつけて海中に投入した。

カメラがとらえたデータは、南極海を管理する国際機関「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」に送信され、オーストラリアのホバートで22日から始まったCCAMLRの年次会合で紹介される。

「カメラの映像は、世界のこの地域では発見されたことのなかった種も含め、息をのむような光景をとらえていた」。AADのダーク・ウェルスフォード氏はそう解説し、「この種の漁業に耐えられる海底と、避けるべき地域についての重要な情報を与えてくれる」と強調した。

オーストラリアは今回の会合で、南極東部海洋保護区(MPA)の設置について改めて支持を求める意向。

南極大陸東部の沿岸は、冷たい海にすむサンゴやペンギンなどが豊富に生息する。科学誌ネイチャーによると、この海域にMPAを設置する提案は、これまで3度にわたってCCAMLRの科学委員会で承認されながら、中国とロシアの反対に阻まれて採択できなかった。

しかし保護団体によると、文言の調整を経て、今年の会合では提案が採択される見通しだという。

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