世界の飢餓人口が増加、気候変動など影響 国連報告書
(CNN) 世界の飢餓人口はかつての減少から増加に転じ、10年前のレベルに戻りつつあることが、国連による最新の報告書で分かった。増加の主な原因は、気候変動が農業に及ぼす影響とみられる。
国連は11日、世界の食糧安全保障と栄養の現状に関する2018年版の報告書を発表した。
それによれば、17年の飢餓人口は8億2100万人と、16年の8億1500万人からさらに増加した。世界人口の9人に1人が栄養不足に陥っていることになる。
アフリカのサハラ砂漠以南では、飢餓人口が10年の1億8100万人から16年には約2億2200万人と、6年間に22.6%も増加。17年はさらに2億3600万人を超えた可能性がある。
報告書は国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)の5機関が毎年、共同で発表している。
国連は「持続可能な開発目標」の1つとして、30年までに飢餓をゼロにすることを目指してきた。しかしこのままでは目標達成が難しいと、報告書は指摘する。
子どもの発育不全や大人の肥満など、さまざまな形の栄養不良にも大きな改善はみられなかった。