地球の気温、2030年にも1.5度上昇 IPCCが警告
(CNN) 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、韓国の仁川で開いた第48回総会で報告書を発表し、地球温暖化を抑えるためには「社会の全局面における早急かつ広範な未曽有の変化」が求められると強調した。
報告書では、地球温暖化によって気温が産業革命前に比べて1.5度上昇した場合の影響について解説し、既にその3分の2に当たる約1度上昇の段階まで進行していると指摘した。
もし今のままの状況で温暖化ガスが排出され続けた場合、早ければ2030年にも気温上昇は1.5度に到達し、さらに上がり続けると予想。そうした事態を食い止めるためには、今後数年のうちに大規模な行動が求められるとした。
気温の上昇を1.5度前後にとどめるためには、世界の二酸化炭素排出量を2030年までに2010年比で45%削減し、2050年ごろまでには「実質ゼロ」とする必要がある。
この規模の排出削減を実現するためには、エネルギーや産業、建築、運輸、都市などの分野で広範に及ぶ変化が求められると指摘している。
2015年に締結された「パリ協定」では、世界の気温上昇を産業革命前に比べて2度未満にとどめるという目標を設定し、1.5度に抑えるための取り組みを打ち出した。
パリ協定には当初197カ国・地域が合意していたが、米国のトランプ大統領は1年半後、米国にとって不公平だと主張して離脱を表明した。