心血管疾患、「洋ナシ」体形の女性は低リスク 米研究

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脂肪の蓄積された「部位」によって、心血管疾患のリスクが変わる可能性が示された/Shutterstock

脂肪の蓄積された「部位」によって、心血管疾患のリスクが変わる可能性が示された/Shutterstock

(CNN) 下半身に脂肪がついた「洋ナシ」体形に分類される閉経後の女性は、腹部が太い「リンゴ」体形のグループや、全体に細身のグループと比べても、動脈硬化に関連する心血管疾患のリスクが低いとの研究結果が報告された。

米アルバート・アインシュタイン医科大のチームが欧州心臓病学会誌に発表した。

チームは閉経後の50~79歳の女性2500人以上を、平均18年間にわたって追跡したデータを分析した。対象者の体格指数(BMI)は全員、正常の範囲内。それぞれの腹部と太ももの脂肪量を測定し、体形を「洋ナシ」「リンゴ」などのタイプに分類した。

追跡期間中に202人が心臓発作など冠動脈疾患の症状を起こし、105人が脳卒中、16人がその両方を経験した。

チームがデータを分析した結果、体全体の脂肪量と心血管疾患リスクの間に関連はみられなかった。

しかし腹部の脂肪が特に多く、脚の脂肪が特に少ない「リンゴ」タイプの女性はその逆の「洋ナシ」タイプに比べ、リスクが3倍以上に増大することが分かった。

チームによれば、インスリンの働きやコレステロール値の異常、慢性炎症などのリスクは腹部の内臓脂肪がたまった状態だと高いのに対し、脚の脂肪が多いと逆に低くなる傾向がみられた。心血管疾患には脂肪の総量ではなく、どこに蓄積しているかという分布が大きく関係していることが確認された。

専門家らはこの研究について、下半身の脂肪には動脈硬化のリスクを抑える作用がある可能性を示したと指摘。脂肪細胞から分泌される「悪玉」の物質が内臓脂肪より少ないうえに、抗炎症作用によって心血管疾患を防ぐとも考えられ、さらに詳しく調べる必要があるとしている。

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