4万年前のオオカミ、切断された頭部をシベリアで発見 毛皮や歯も残る
(CNN) シベリア東部の永久凍土の中から、4万年前のオオカミの頭部が発見された。頭部は切断された状態で、永久凍土の中で保存され、歯や毛皮も完全な状態で残っていた。
オオカミの頭はサハ共和国の河川敷で、マンモスの象牙を探していた地元住民が発見し、同共和国のマンモス研究施設に持ち込んだ。
同研究所の専門家によると、オオカミの子どもの凍結した死骸はこれまでにも発掘されたことがあるが、成体のオオカミの頭部が見つかったのは初めて。「古代のオオカミの頭が見つかったのは今回が初めてだった。軟組織は4万年たった今も保全されていた。オオカミは成体だった」と話している。
研究チームは脳と頭蓋骨(ずがいこつ)内部のデジタルモデルを作成してさらに詳しく調べる意向。オオカミのDNAはスウェーデンのストックホルムで解析する。
サハ共和国の凍土からは、絶滅種のホラアナライオンの赤ちゃんも保存された状態で発見され、調査が進められている。
同地では地球温暖化で凍土が解け、今回のような発見が増えている。4月には4万2000年前の凍土で見つかった子馬の死骸から、液体の血液と尿が見つかっていた。
2016年にはロシアの研究チームが、シベリア西部で広がった炭疽菌(たんそきん)の流行について、75年前に死んだトナカイの死骸が解けて感染源になったと指摘していた。