減量やがん、認知症予防には? 緑茶の健康効果を探る
(CNN) 緑茶が健康に良いという説を聞いて、毎朝のコーヒーを緑茶に切り替えようと考えている人がいるかもしれない。緑茶の効果をめぐって、これまで報告された研究結果を振り返る。
緑茶と紅茶は同じ種類の木から摘んだ葉で作られるが、製法が違う。緑茶の葉はすぐに加熱して乾燥させるため、十分に発酵させる紅茶と比べて工程が短く、植物由来の抗酸化物質フラボノイドの一種であるカテキンという成分が酸化せずにそのまま残っている。
ハーバード大学でフラボノイドの健康効果を研究するハワード・D・セッソ准教授によると、カテキンの中でも特に抗酸化作用の強いエピガロカテキンガレート(EGCG)は、緑茶特有の成分とされる。
緑茶の減量効果については、緑茶を飲んだりカプセルで摂取したりした結果を統合している「メタ分析」がある。アジア人を中心にわずかな体重減少がみられるものの、人種による違いや、緑茶中のEGCGとカフェインによる作用の区別などははっきりしなかった。
別の研究では確かに減量効果が確認されたが、対象者はお茶そのものを飲んだわけではなく、緑茶15杯分に相当するエキスを摂取していた。それでも体重の減少幅は小さく、心血管系の健康状態を改善するのに必要な5~10%には達しなかった。
がん予防の効果をめぐっては、2009年の系統的レビューで十分な根拠がないとの結論が出された。前がん状態の病変の進行を遅らせるようだとの報告もあったが、がんのリスクが低減するかどうかは確認されていない。このレビューの後、前立腺がんや大腸がんなどについての研究も発表されたが、予防効果を立証するには至っていない。
緑茶が脂質の吸収や血圧を抑え、心臓病のリスクを下げる可能性も指摘されている。ただしこれまでの研究は規模が小さく期間も短かったため、予防効果を断定することはできないという。