認知症予防は運動と食生活改善で、サプリは推奨せず WHO
(CNN) 世界保健機関(WHO)は14日、認知症のリスクを減らすための勧告についてまとめた初のガイドラインを発表した。予防策として、適度な運動や健康的な食生活を提言している。
一方で、認知力の低下や認知症予防を目的としたビタミンBやEなどのサプリメント服用は勧めないとした。
認知症に詳しい英エディンバラ大学のタラ・スパイアーズジョーンズ教授は「認知症状が表れる前にライフスタイルを変えること、特に運動量を増やすことによって、認知症のリスクは低減できる」と指摘する。
WHOによると、認知症は毎年新たに1000万人の症例が報告され、この数字は2050年までに3倍に増える見通し。認知症患者の介護にかかる費用は、2030年までに年間で推計2兆ドルに膨らむと予想される。
ガイドラインでは、認知症のリスク低減のため、運動の習慣をつけ、たばこはやめ、飲酒量を減らし、バランスの取れた食生活を心がけるよう提言。特に、野菜が豊富で肉の量は少なく、主にオリーブオイルを使う地中海料理を推奨している。
さらに、認知症や認知力低下のリスクを減らせる可能性がある対策として、体重や高血圧、糖尿病、コレステロール値のバランスが悪い脂質異常症の適切な管理を挙げた。
一方で、ビタミンBや抗酸化物質、オメガ3、イチョウといったサプリメントの使用については推奨しないとした。英ノッティンガム大学のトム・デニング教授は「ビタミンや栄養補助食品は、(臨床問題のために必要とされる場合を除いて)使用しないことが望ましい。それによって大勢の人が浪費から救われることを望む」としている。